管楽器修理工房の管楽器修理実績と記録

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フルートのヘッドコルク交換 記録_2

Lastmod: 2018-01-20
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フルートのヘッドコルク交換

フルートの頭部管の中にあるヘッドコルクは、素材の関係も含めて経年劣化で物理的に縮んだり痩せてしまうため、定期的な交換が必須になります。

リペアマン以外で、ヘッドコルクの交換・ヘッドコルクを目視で形状確認することは非常に困難です。(クリーニングロッドで位置ズレなどは確認できます。)

ヘッドコルク交換は、息漏れやスキマを作らないように密閉させるので、頭部管の口径よりも少し厚いコルクを圧縮させながらキツキツの状態を押し込むため、「コツ+相当な力」が必要です。

  • 専用の工具や道具が必要で、たとえば新品のヘッドコルクを取り出したとしても、コルクの変形や弾力が失われるため、再利用ができない1回限りのパーツです。
  • 経年で痩せているヘッドコルクは、頭部管から抜けやすいので取り出せることはありますが、この場合はヘッドコルク交換が必須になります。

リペア学校でも、最初の段階で学ぶ「フルートのヘッドコルク交換」ですが、簡単そうな作業に見えても、新品のヘッドコルクを取り付けるには「コツ+相当なパワー」が要求されます。

ヘッドコルク交換の作業中に「頭部管を変形させたり」「押し込みの際にヘッドコルクを欠損させる」こともあります。

講師や先生の指導から、ヘッドコルク交換の実践・実習1回目に成功できるのは半数以下の作業で、個人差もありますが、なかなか出来ない人もいます。(挫折してしまう人もいます。)

フルートのヘッドコルク交換 画像1

フルートのヘッドコルク交換 画像2

ヘッドコルク交換時期の目安

フルートのヘッドコルク交換時期の目安は、新品購入や最後に行ったヘッドコルク交換から1年くらいですが、使用頻度や保管状況などで交換時期は変わってきます。

音の違和感・音の鳴りが弱く感じるときは、ヘッドコルクの劣化によって密閉性が失われていることもあるので、定期的な交換が必要な消耗品(消耗パーツ)です。

ご自身でヘッドコルクの形状確認・交換をすることは非常に困難ですので、フルートの持ち込みで最寄りの楽器店・リペアマンに相談されることが一番無難になります。